変わらぬもの

放浪者と思われるお客さんがお部屋探しに来店されました。
恐らく、長期間お風呂にも入っていないためか、体からひどい臭いが放たれておりました。
1m圏内は、近づくことが出来ません。
たまたま、私が対応しました。ちなみに、1m圏内での接客となりました。
“生活保護の申請をするために住所が必要なので、お部屋を借りに来ました。”とお客さん。
所持金はありません。でも、生活保護の申請には、どうしても帯広の住所が必要という内容です。
市役所に電話で確認したところ、その通りでした。
申請して2週間後に、保護になるかどうか結果が出るということもわかりました。
そこで、このお客さんのために、2週間後の生活保護の申請結果が出るまで、無料で部屋を貸すオーナーを探すことが仕事となりました。
生活保護の申請が出れば、そのまま住んで頂く。もし、生活保護の申請がでなれば、お金が払うことが出来ないためその時点で退去してもらう。そんな条件を受け入れてくれそうなオーナーいるだろうか?しかも保証人おりません。。
無理だろうなと思えば、私が躊躇してしまうので、多分わかってくれるオーナーもいるだろうなぁと思いながら、電話かけがはじまりました。
後からトラブルになってもいけないので、お客さんのことも正確に伝え、お願いの電話となりました。
2人目のオーナーに相談したとき、“まぁ、良いだろう”と快く受け入れて頂きました。意外に、あっけなかったのですが、良かった良かった。
お客さんに、“良かったですね。優しい大家さんおりましたよ”と私。
“ダメかと思っていたので、うれしいですね”とお客さん。
内心、今日から野宿じゃなくてよかったねと思いながら、契約書にサインをして頂き鍵を渡しました。
それにしても、この寒い帯広で浮浪しているとは、強者です。本人からは聞けませんでしたが、どこで寝泊まりしていたのでしょうか。
今度会社に来られたときに聞いてみたいと思います。
それにしても、お金もない、保証人もいない、職もない、3拍子揃っているお客さん。きっと色んなところに行って断れてきたんだろうなぁと思います。少々、立場の弱い方のお手伝いが出来てよかったなぁと思っております。
私ごとになりますが、12年前、東京で数日の短い期間でしたが、外で生活したことがあります。
何だか、人ごとのような感じがしなくて、がんばってしまいました。
ひとの役に立てたとき、本当に喜んでいるのは自分なのかもしれません。
これからも、弱い立場の人たちの帯広ドットコムでいたいなぁと思うのは、創業から変わらぬところでしょうか。。
チラシ配りとか、アパートの共用部分の定期清掃とか、こう言った人たちに何か仕事が作れるでしょうか?
年々際限なく増え続ける生活保護受給者、真剣に考えてみたいところです。

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