2度目の涙

3年前の3月。高校受験の合格発表の後、その足で、友人(高校の先輩でもありますが、親友の一人でもあります。。)とその息子さんが、私の会社に寄って来られました。息子の名前は、直樹。

2人、目を真っ赤にして泣きながら、高校受験がうまくいかなかったことをお話しされておりました。受験発表で番号がなかった後だったので、親子共々かなり動揺しておりました。思春期の息子さんには、大きな挫折に感じられているのは推測できました。。私もなんと声をかけてよいのかわからず、しばし2人の泣く啜り声を会社の奥の部屋できいる自分がおりました。

私のところに来たのは、順風満点でない私の過去をよく知る友人が、息子の挫折に際して、私から何か勇気づけてほしいということだったと思います。

今、落ちたばっかりで、希望の学校に行けなかった本人を目の前に、3年後の大学受験に向かって、さすがに気持ちを切り替えろとは言えるはずもありません。。15歳の少年の気持ちをいたわりながら、たぶん、こんな感じのことを話したと思います。ちなみに、息子さん、レベルの高い大学に行くために難易度の高い高校を受験したということでした。

“今回受験でうまくいかなかったことは、現実に起こってしまっていることなので、素直に受け止めるしかありません。それを受けて、これからどうするのかがその人の運命が分かれるところだと思います。そもそも論で、そうならないように準備するということはあるかもしれませんが、そうなってしまった以上、過去を悔やんでも、何の解決にもなりません。この瞬間からどうするのか。。考えるのが、今、この瞬間でベストな考え方です。今日落ちたことは、もう過去のことなので、どうでもいいことだと思います。ここで散々泣いて終わらせてください。少々、直樹よりも長く生きた先輩からアドバイスすると、今流した涙の中にある、悔しいという気持ちを味あえたのは、今回の合格よりも価値のある宝物だと思います。行く高校は思い描いていた学校ではないかもしれませんが、これから平等に与えられる3年間をどう使うのか。そちらの方が、大切なことです。合格したものには持ちえなかった悔しさは、きっと受験勉強を強烈に動機付けてくれるものに変わると思います。合格発表の日。今日、勉強している人が何人いるだろうか。本当に悔しのであれば、脳みそがぐちゃぐちゃになるまで、今日から、勉強をすべきです。。センター試験まであと2年10ヶ月しかないよ。”

そんなことを言って3年。

直樹とは、ラインがつながるので、たまぁにどうなのかなぁとやり取りはしておりました。平日は、学校が終わってから寝るまでの数時間。休みの日は1日中。机に向かっているとラインの返事がありました。

あれから3年。月日が経つのは、早いものです。直樹、大学受験。

今日、志望した国立の総合大学の合格発表だったそうです

今日。2人が会社に来ました。駐車場から会社の裏口に入る2人の姿は、リベンジを誓った3年前と同じ光景に感じました。

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“社長、受かりました。。”

“直樹、まじか。。。よかったな。本当によかったな”。

2人とも目に涙を浮かべておりました。

私は、所要があり、先に会社を出てしまいました。

3年間こもって勉強した直樹の顔。日焼け一つしない真っ白な顔でした。

直樹、感動をありがとう。わたしも、うれし涙です。

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