今日から11月です。
最近、CMで見た不動産投資商品。気になったので、考察してみます。あくまでも個人的な考えです。。。
“みんなで大家さん”
一見すると、よさそうだなぁと思うんですが、果たして、これって大丈夫かなぁと、不動産投資を業として販売している私の立場から、考えてみます。
例えば、100万円を投資して、5年後に満期という商品の場合、手取りはどうなるか。。下の図の通りです。100万円が5年後135万円になってるって話です。
いい話過ぎて、嘘っぽいく感じるのはどうしてでしょうか(笑)。
この会社の商品は、こんな感じ(↓)で売り出されます。
みんなで投資する物件(商品)の説明があります。過去の商品の説明もあります。
商品一覧 – みんなで大家さん (minnadeooyasan.com)
(↑)過去の償還した実績と、今、運用中の商品、これからの商品が出ています。
結構、やっているんだなぁ。。でも、不思議なのは、これらの運用実績が出ていないことが、うさん臭く思います。
そもそもなんですが、帯広で同じように投資家から小口で集め、賃貸マンションを買って、7%の配当を出すビジネスができるかということを考えた時、非常に運営側の取り分が少なく、難しいと思うからです。空室リスク、入居退去時の修繕費、人件費、投資家を集める広告宣伝費を考えると、逆にマイナスになるんじゃないかなぁ。。。これを事業でやるのって、やっぱり、無理でしょって思います。これが3~4%くらいの配当であれば、できるんじゃないかなぁという気にはなりますが。。仮に7%のリターンで投資させるのであらば、小口で投資させる物件が、よほど安く仕入れているんでしょうか。
普通、株でも投資信託でも、その運用実績が公開されます(投資家に報告されます)。株の場合なら、その会社が決算して、損益計算書や貸借対照表を公表すると同時に、株主には総会での議決権もあり、投資家が投資した株がどうなっているのか知ることができます。投資信託の場合も同様に、運用会社が定期的に運用報告書を作成して投資家に送って、運用状況を知ることができます。
運用の中味を公表している投資商品、投資対象として適格なものと言えるんだろうと思います。
このみんなで大家さん。今、成田9号が販売中で、過去の第1号から始まり、いくつかは元本を償還したとPRしています。
あくまでも個人的に思うことですが、これって、自転車操業の可能性あるんじゃないかなぁと推測します。多分、今、集めているお金は、償還の来るもの返済に当てているんじゃないかなぁ~という可能ありでしょうか。
で、こんな憶測がないように、投資の商品ごとにその決算や運用の報告書を公表するんですが。。。「みんなの大家さん」は、それらの報告は一切ないので、やばいでしょってことになるんです。
不動産を小口化して投資される方を沢山募って事業を大きくすることが、目的であれば、安心材料として運用報告は、積極的に報告するはずですが。。。(私が、このような事業をするのであれば、そう思ったりもします)。
少し前の話になりますが「あぐら牧場」という和牛預託して利益を得ようとする投資商品がありました。「繁殖母牛に出資すれば毎年生まれる子牛の売却代金で多額のリターンが望める」という触れ込みで、出資者からお金を集めて、運用するものだったと思います。結局、自転車操業で倒産し、沢山の出資者が引っかかってしまいました。
これも、みんなで大家さんと同じく、運用報告なく、決算を公表しておりませんでした。
私には、どうしても、あぐら牧場と同じビジネスに見えます。
これ、多分、案件がだんだん大きくなってくるともいます。最後大きく集め切ったところで、破綻というシナリオ。。最後に大きく集めた分の持ち逃げで、終わらせるんじゃないかなぁと憶測します。7%の配当は魅力ですが、こんな最悪のケースもあることも考慮する必要があるのかなぁ。。。と思ったりもします。
ちなみに、この会社は現在、不払いもなく、健全に(?)経営されているようなので、全く批判するつもりはありません。個人的な思いとは逆に大きく成長される可能性だってあるかもしれません。。どう思われるかは、皆さんの自由です。。