先日、‘主人が今日、明日の命なので会いに来てほしい’。遅い時間でしたが奥さんからお電話頂きました。
15年来の付き合いにのある社長さんです。
僕よりも少し先輩の彼は、私と同じ時期に人材派遣会社を始めた方です。よく飲みに出歩いた思い出深い親友でしょうか。
今年の春に、会社に来たとき、‘膀胱がんで年内くらいかなぁ’と話していた時は、元気な感じでしたので本気にしておりませんでしたが、今思えば覚悟があった言葉だったんだなぁと思い出すところです。
病室に入った時には、奥さんから鎮痛させるために強いモルヒネを打っているという話を聞き、病気の状態が末期であるのがうすうす感じました。すでに意識が朦朧としていましたが、いったん意識が戻り目が開いたタイミングがあり、しばし瞳をみておりました。
彼の口には、酸素マスクに付けられており、話すような状態ではありませんでしたが、言葉はなけれども、彼との仲で通じ合えるものがあった感じがします。
最後なのかなぁと思いつつ、行きのJRの中でお別れの言葉も用意していきましたが、彼の顔を見て、病気と闘ってきた彼に、健康体の私が語りかける言葉などなく、手を強く握るのが精一杯の挨拶でした。
昨日、奥さんから亡くなったという知らせを受けました。
55歳。
創業した時は、お金の苦労が絶えなかった記憶があります。冬の仕事のない時期に、マンションの灯油を入れることができず、しばらく寒い部屋で冬を越していたという記憶も新しいところでしょうか。
辛抱しながら体制を作り、最近はようやく事業も軌道にのってきたよという話をされていた矢先の死に、無念な気持ちがします。
過ぎ去りしは、全て良き思い出としてよみがえってきます。
さびしい限りですね。
彼の分も、従業員と世の中のために頑張ろうと前向きな気持ちに、さびしさを紛らわせたい気持ちでおります。